足をすくわれぬよう、せいぜい気をつけろってことか。
おまえは黙ってろってヤツに限って、
よく喋ってらぁ。
俺もどちらかと言うと、お喋りだ。
けど、つまらない話はしやしないさ。
つまらない話しかできないようなときは、
俺はきまって無口になる。
一応は、わきまえているつもりさ。
分別ってやつを。
いくらほざいたって、そりゃぁ、負け犬とまでは言わないけど、所詮は遠吠えだよ。だっておまえ、女、いないんだろ。言ったじゃない、女に評価されない男はただの不能者だって。
そんな俺もたいして変わらないけどね。この前も腹のどす黒いクソオヤジから尻尾巻いて帰ってきちゃったしな。逃げるが勝ちなんて、嘘だね。その証拠に、ほら、こうして愚痴ってる。
それでも、女と話したいとき、いつでも話せる女がいるってのは、俺の強みさ。ただ、女とやりたいとき、いつでもやらせてくれる女がいるかというと、そうでもないのが俺の弱み。なんだい、だっせぇな。俺より女にもてる子供に笑われちまいそうだぜ。
それにしても、この年になってまた「信用」とか「信頼」で頭を悩ませるとは思ってもみなかったぜ。ちょっとうっかりしてたかな。
なぜ、ヤツはヤツを裏切るような言動をしたのか。俺は若くはないから、裏切るなんてことはしやしないさ。けど、なんとなくヤツの気持ちがわかったような気がしたんだ。寂しかったんだろうな。悪気はなくとも、利用されたと思ったんだろうな。ヤツとヤツの間には目にも見える本当の壁。俺とヤツの間には、目には見えこそしないがやはり一枚の壁、所詮はそういうことか。
壁の向こうでヤツがほくそ笑んでいたなら話は簡単さ。ヤツの二枚舌にやられたってだけのこと。けど、ヤツの舌は確かに一枚だった。ゆえに、こっちもうっかりしたのかな。おっと、待てよ、舌には表も裏もある。そうか、そういうことだったのか。
今頃気づいたぜ、またしても、Fack'n Kyoto!
なんだろう、この鬱陶しいまでの窮屈感。
表面上、きれいに整えたつもりでも、実際は裏側へ追いやっただけのこと。
それでしたり顔?
残念なのは、そのしたり顔をしかめっ面に変えてやるだけの力が俺にはないこと。
優しくもない、包容性もない。
それでもって、金だけはあるから座布団の上であぐらをかいている。
嫌気がさすのも無理ないだろ。
さっさと金儲けして、飛び出していきたいと思っている。
ほら、元々よそ者だからさ。
5年、10年言い続けていれば、やがてその通りになるだろう。
思わぬ再会。彼女は相変わらず素敵だった。働く一人の子持ちの母親。きびきびと働く彼女に僕はみとれていた。
対極の話をしよう。ぷくぷく太った、子供もいやしねぇ、介護もしてねぇ、公務員の旦那に依存しきった女。
「子供をつくるだけが目的のセックスはしたくない」
だってさ。笑わせるんじゃねぇ。だったら、働けよ。金稼いでみろよ。おまえだけは悲しい女。